ヴァンクリーフ&アーペルのアンブルインペリアル(Ambre Impérial Van Cleef & Arpels)を2年所持しての感想(ミニreview)と調香師クエンティン・ビシュ( Quentin Bisch )氏が手掛けた香水で管理人が欲しいもの(笑)をご紹介します。
カンタンさん、私は禅僧のようなイメージだったのですが(容姿にあらず。彼の代表作B683って禅ぽくないです？)実は守備範囲広くて意外なブランドで作っていました。
ちなみに今日のレビューする香り、彼を香水道へ歩ませた、あの日の香りへのオマージュのような気がしている・・・。 まずは、そんなアンブルインペリアルのご紹介。
アンブルインペリアルの感想Ambre Impérial Van Cleef & Arpels
アンブルインペリアルは香り持ちが良く、また時間でその表情を変える紫色のvanillaです。香料の組成としては
トップノート：ピンクペッパー ベルガモット
ミドルノート：アンバートンカビーン バニラ ベンゾイン
ベースノート：ウッディノート
となっておりますが、私の印象ではラスト、または翌日の衣類の残り香(これが秀逸)では、思わず抱え込みたくなるような柔らかなパウダリーの香りがします。トップはスパイスとbergamotの酸味でスパークして、いわゆるオリエンタルなアンバーとは少し違って琥珀じゃないんです、色で例えるなら紫です。あと時々樹脂が煙さもありそこはかとなく煙草をイメージできるというか。
ベルガモットの背後にベンゾインがチョコレートの風味を加えているため、離れた場所にいる自分以外の人からは非常に甘い香りであると言われがちです。実際海外のreviewではクレームブリュレそのものと評している人もいました。
ただ、ありがちなグルマンに陥らないのは、トップのスパイスと酸味が抑制してるからなのかな・・と思います。素人なので適当ですけど(笑)
Ambre imperialが似合うシーンや年代
アンブルインペリアルは、あくまでも個人的なイメージですが20後半から30歳以降で、「あんまり甘いのはちょっと・・・でも全体的なイメージでは尖りすぎず丸く、それでいて夜に魅惑的で、朝には可憐にしたい(←なかなかにわがままw)」そんな大人によりよく似合うスイーツ味がある香水だと感じました。
着物などの和装にも似合うバルサミック渋みもあるんですよねぇ。
なぜこのような多面的な香りを生み出すことができたのでしょう？ヒントはビッシュ氏の生い立ちにありました。
Bisch氏はシャリマーより生まれ、脳裏に焼き付けられたオピウム
他の調香師と同じように、Quentin Bisch氏も人生の初期に家族から、また近しい人から教えられることなく自然に香りの記憶を刻まれました。
誕生した際にはシャリマーの香りが(哺乳瓶があったと(笑))、そして母君はキャシャレルの Loulou, ディオールのPoison, CHANELのCoco、ゲランのシャマードを愛用し、父君はもっぱらゲラン党員で、アビルージュ、ダービー、ベチバーを好み、 ChanelのPour Monsieur concentre や Gucci pour homme等もつけていたようです。
決定的だったのは、Bisch氏が中学生の時に出会ったフランス語教師が着けていたオピウムの香り。初めてその教師が教室に現れた時、オピウムの香りで辺りが満たされ、Bicsh少年は完全にその虜になったそうです。
調香師の方で、オピウムの香りが天啓だったという言葉は、調香師ナタリー・フェストエア氏も話されていました。
ちなみに調香師たちに多大なる影響を与えるオピウムを世に出したのはディオールのファーレンハイトやデューンを作ったJean-Louis Sieuzacと Jean AMIC です。
オピウム自体が良い香りだったことは間違いないですが、この教師自身が持つ魅力も大きかったのでしょう。彼女がくゆらすタバコの香りがオピウムに溶け合い、カリスマ的な印象を少年に与え続けたことが天啓となったのは間違いなさそうです※。
何故なら、このアンブルインペリアルの香調は、まるでオピウムの面影を追憶するかのような香りなのです。
オピウムも トップノートは、ペッパー、ベルガモット等、ミドルノートは、カーネーション、シナモン、ローズ、サンダルウッド、パチョリ、ベースノートは、ミルラ、インセンス、バニラ、トルバルサム、アンバー、ベンゾイン、シダー等・・オピウムの方が香料が多種類ですが、面立ちは・・似ていますよね。
冒頭で、アンブルインペリアルがペッパーがタバコのようだと書いたのも、もしかして心に刻まれた想い出のオピウムが関与しているのかなって・・想像したわけです。十代の少年にとって、オピウムと煙草の香りがするフランス語教師って禁断っぽくありませんか？甘酸っぱい良き想い出よね。
クエンティンビシュの香水
Quentin Bisch2022年３月時点まで、手がけた香水は以下。
Armand Basi (1)
perfume In Flowers
Azzaro (3)
perfume Azzaro Pour Homme Limited Edition 2016
Azzaro Pour Homme Limited Edition 2016
perfume Solarissimo Marettimo
perfume Wanted by Night
Bottega Veneta (2)
perfume Parco Palladiano XII: Quercia
perfume Parco Palladiano XV: Salvia Blu
Boucheron (2)
perfume Boucheron Fleurs
perfume Boucheron Quatre En Rose
Carolina Herrera (5)
perfume Bad Boy
perfume Bad Boy Superstars Collector Edition 2021
perfume Mystery Tobacco
VERY GOOD GIRL
perfume Very Good Girl Glam
Chloé (6)
perfume Cedrus
perfume Lavanda
perfume Nomade
perfume Nomade Absolu de Parfum
perfume Nomade Eau de Toilette
perfume Vanilla Planifolia
Comme des Garcons (1)
perfume Marseille
Dries Van Noten (1)
perfume Fleur du Mal 220 €
Essential Parfums (1)
perfume Bois Impérial 75,00€
Estée Lauder (1)
perfume Radiant Mirage
Etat Libre d’Orange (4)
perfume Attaquer le Soleil Marquis de Sade
perfume Experimentum Crucis
perfume Hermann A Mes Cotes Me Paraissait Une Ombre
perfume La Fin Du Monde
Ex Nihilo (5)
perfume Cuir Celeste Par Mathieu Cesar
perfume Fleur Narcotique
perfume Fleur Narcotique Blossom
perfume French Affair
perfume Venenum Kiss
Habibi NY (1)
perfume Velvet Royale
Hawthorne (2)
perfume Play
perfume Work
Jean Paul Gaultier (9)
perfume La Belle
perfume La Belle Fleur Terrible
perfume Le Beau
perfume Le Beau Le Parfum
perfume Le Male Essence de Parfum
perfume Le Male In The Navy
perfume Le Male Le Parfum
perfume Scandal Pour Homme
Kenzo (1)
perfume Kenzo Homme Eau de Toilette Intense
L’Artisan Parfumeur (2)
perfume Iris de Gris
perfume Mandarina Corsica
Le Galion (2)
perfume Champs de Mai (2020)
Champs de Mai (2020)
perfume Tilleul
Les Liquides Imaginaires (1)
perfume Tapis Volant
Maison Crivelli (2)
perfume Hibiscus Mahajád
perfume Patchouli Magnetik
Marc-Antoine Barrois (3)
perfume B683 Extrait
perfume B683
perfume Ganymede
Missoni (2)
perfume Missoni (2015)
Missoni (2015)
perfume Missoni Eau de Toilette
Moncler (1)
perfume Moncler pour Femme
Mugler (6)
perfume A*Men Ultra Zest
perfume Angel Iced Star
perfume Angel Muse
perfume Angel Muse Eau de Toilette
perfume Angel Nova
perfume Angel Nova Eau de Toilette
Natura (1)
perfume Essencial Mirra
Nuxe (1)
perfume Le Matin des Possibles
Orlov Paris (1)
perfume Red Shield
Paco Rabanne (3)
perfume 1 Million Parfum
perfume Erotic Me
perfume Pure XS For Her
Parfums de Marly (3)
perfume Delina
perfume Delina Exclusif
perfume Delina La Rosée
Penhaligon’s (1)
perfume Terrible Teddy
pH Fragrances (2)
perfume Magnolia & Peony of Silk
perfume Patchouli & Cedar of Tweed
Plume Impression (1)
perfume Murmure d’Ete
Rubeus Milano (1)
perfume Bleu
Trussardi (1)
perfume Limitless Shopping Via della Spiga
Van Cleef & Arpels (2)
アンバー インペリアル
perfume Néroli Amara
Victoria’s Secret (1)
perfume Victoria
Victorinox Swiss Army (1)
VICTORINOX SWISS ARMY ROCK びっくり。アウトドアメーカーですよね。香水出してるんですよ。
Yves Saint Laurent (2)
ル ヴェスティエール デ パルファム ブラウス
perfume Grain de Poudre
Zadig & Voltaire (3)
perfume Girls Can Be Crazy
perfume Girls Can Do Anything
perfume Girls Can Say Anything
改めてリストアップすると、若手なのにかなり多作かつ、ビッグメゾンからnicheまで対応しているのでその精力的な活動に驚きました。高価なものが多いですが、ヴィクトリノックスの香水は比較的安価かつ、
ノートを見るとこの方らしい硬質でミネラルな澄んだ香りがしそうでビッシュさんの香りをお試しするにはいいかもです。
Yves Saint Laurentのル ヴェスティエール デ パルファム ブラウスは高価ですが、かわいいY.S.L ルヴェスティエールデパルファムディスカバリーセットは安価なのでこれもありかな。
Essential Parfumsの
perfume Bois Impérial 75,00€ 自分、ほしいです笑
クエンティンビシュが着けている香水
最後にクエンティン氏が着けている香水って何だろうと思ったので、以下のメッセージをシェアします。引用元
残念なことに、私はもうフレグランスは使っていません。自分自身の試作品を週末につけることはあります。チェックする必要があるので。仕事中は、香りの妨げになるので、フレグランスをつけることはできません。フレグランスは、引退したら、また楽しみます。でも、それまでにたくさんの新しくてエキサイティングなプロジェクトに取り組みたいと思っています。
エルメスの初代専属調香師ジャン・クロード・エレナ（Jean-Claud Ellena）の全作品、ロリータレンピカやMCDボアダルジャン、Hypnotic Poisonを手掛けたAnnick Menardo等の調香師が好きだそうです。 自分もエレナ氏が手掛けたエルメスの作品は大好きなのでこれ知って嬉しかったです。
ニッチな層にささるものを作るよりも、多くの人に理解され、今もいつも世々にいたるまで残される香りを作る調香師の香りは間違いないです。つけるたびにその完璧な世界観に感動できます。
高校時代理系科目がどんなに頑張っても克服できず、一時は香水業界を諦めたクエンティン氏ですが、幼いころから周りにあった歴史的名香に励まされ熱意で実現した夢。
新作の Iris de Gris L’Artisan Parfumeurがとても楽しみです！
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