No12 puredistance 日本法人爆誕の知られざる秘話&熟成香水について聞いてみた

香水ブランド

2021年のビッグニュースとしてこれは外せない、ピュアディスタンス日本法人設立があります。

今回日本法人の責任者の畠山様に直インタビューを決行し、

No12の秘話と、なぜフォス社長が日本にブランド直轄のショップを持つようになったのかを知ることができたのでこちらでシェアいたします。

ピュアディスタンス創業から日本法人設立までをざっとおさらい

ピュアディスタンス  THE MAGNIFICENT Ⅻ Collection 完成おめでとうございます。
全世界が激動の時代に訪れた12作品目はファンの想いを裏切らない、タイムレスでエモーショナルな香りですね。


真の美しさは普遍的で、それは変わることなく永遠に愛される。永遠に愛される香水を作りたい、社長が東京のピュアディスタンスミーティングでおっしゃっていたこの言葉に感動しました。


事実これまで様々な無形の美を世に出してきた事に驚きを隠せませんが、今回もまた、ピュアディスタンス史上に其の名を刻む作品が生まれたことに一ファンとしてうれしく思います。


このインタビューでは新作についてのお話しと、ピュアディスタンス日本法人設立までの経緯や其のビジョンをお伺いさせて下さい。

PDJ
PDJ

本日はよろしくお願いいたします。ピュアディスタンスジャパン代表、畠山です。まずは簡単にピュアディスタンスジャパンについて紹介させていただきます。

ピュアディスタンスジャパン(PDJ)は2017年半ば、ピュアディスタンスのウェブ担当で、ヤン・エワウト・フォス社長のご長女でもあるイリス・フォスさんと共同で立ち上げた日本向けオンラインサイトが母体となっています。

当時のPDJは、日本語表記ではありましたが、実際の購入はカートに入れてポチれる一般的なオンラインストア形式ではなく、お客様が英語でオーダーし、ユーロ建でPayPal決済するという、日本のお客様にとってあまり使い勝手が良いとは言えないプラットフォームだったので、より日本のお客様がアクセスしやすいスタイルにアップデートすべく、本社監修のもと日本で構築したオンラインストアです。

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2018年1月のオープンより、今年で4年目の運営になります。これまで在庫を持たずオランダから直送する個人輸入代行サービスの一環として運営していましたが、最新作№12の発売にあわせ、国内で在庫販売ができるよう法的手続きを行い、本年9月に日本正規代理店となりました。

2019年5月には、フォス社長の来日イベントを主催し、新作を発売するごとに国内でファン層が拡大しているのを実感しています。

No12の名前について


早速ですが、はじめに言葉ありきということで、香水名についてお伺いします。今作の名前であるNo12ですがシンプルな数字でとてもクールな印象を受けました。

数字は無機質なようでいて、多様な意味合いを持っていると考えています。12、終わりの月、Queen、1オクターブ。古の日本では十二単衣という重ね着をする風習がありました。

私がNo12の香りに触れた時、重ね着の様な、シンフォニーの様な香りの途方もない多層性を感じました。熟成されるという性質も魅力です。

このネーミンングにはどのような思いが隠されているのでしょうか?アニー・ブザンティアンの1ではじまりコレクションのラストということでNo12とされたのでしょうか?

PDJ
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THE MAGNIFICENT XII COLLECTION(ザ・マグニフィセント・トウェルヴ・コレクション)はかなり早い段階で、12作で帰結するコンセプトで制作が進められていましたが、№12というネーミングが決まったのは、2018年8月に№12の処方が正式採用された時に確定した、と言ってよいと思います。少なくとも2018年のPDJ開設時には、違う名前でしたから(笑)。でも「12」に由来する単語は入っていましたね。

 

(名前に関する話より詳しくはLPTのレビューで)

1からNo12まで、どれ一つとして香りが類似する事なく全てが独立した輝きを放っています。ここまでそれぞれが個性を出して、なおかつ香りのクオリティが高いレベルで保持されているブランドもあまりないですよね。

 

賦香率がずば抜けて高いことも、もちろんですが恐らく地球上の他のブランドと同じように同じ香料を使って作られているはずなのに、なぜか他社と圧倒的に差別化されている。この香りのトーンを生み出す為には社長のイメージがありきなのではないか?と推測します。

◆No12ではどのような世界観を描く、もしくはどのような人物像、景色、概念を抱いていたのでしょうか?

PDJ
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№12に限らず、ピュアディスタンスの作品は、ディレクターであるヤン・エワウト・フォス社長の中に自然発生するイメージを香りに昇華していくプロセスで成り立っていますが、どの作品にも共通するのは、人の手で合成した人工物ではなく、有機的に発生し、時の流れに左右されない普遍的な美しさを香りで表現しようとしています。

 

社長はそのコンセプトを一言、Naturalという単語で表現していますが、かなり奥行きの深い意味を持たせていると思いますね。

中でもコレクションのしんがりとなる№12は、調香師アニー・ブアンティアンの愛用していた香り

を譲り受けた処女作、ピュアディスタンス1(2007)以外の10作品と違い、既に完成形として調香師ナタリー・フェストエアの手中にあった香りが、社長自身が求めるイメージに完全に一致し、修正を一切施さずにピュアディスタンス作品として仲間入りしたわけですが、本当にどのようなイメージで作ったのか知るには、最終的にはナタリーさんに聞いてみたいところですね。

 
 
 
 
 
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PDJ
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依頼主のディレクションが一切入らず、調香師が思いのままに、自分の夢の香りを作ったのが№12です。

 

ただ、№12となるご自身のお気に入りの香り、ゴールド・タフタをピュアディスタンスに紹介するにあたりナタリーさんは「洗練されたリッチなシプレ」と但し書きがされていたそうです

フォス社長のシナスタジア(共感覚)がPD香りの秘密

 

くわえて、個人的に興味があるのがピュアディスタンスと色の関係性です。

 

ピュアディスタンスの香水はそれぞれが持つカラーイメージが香りとピッタリマッチします。毎回どうして香りの色が見えるのだろう?と感じるほどです。今回も今迄通りに色を、beauty in blueをかんじました。

香と色のイメージを合致させるよう、意識的に香作りに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

PDJ
PDJ

シナスタジア(共感覚)という言葉をご存じですか?例えば、数字に色を感じたり、匂いに形を感じたりする感覚ですが、フォス社長には、香りを色で感じる共感覚があって、新しい香りを作る際、調香師にはかなり色の指定をしていますね。

勿論調香師が社長と同じ感覚を持ち合わせているとは限らないので、ヴィジュアルコンセプトを作り、視覚でこういう香りを作ってください、という指示を出しています。

また、ピュアディスタンスはこれまで主にアメリカ、イギリス、フランスに活動拠点を置く調香師に作品を依頼していますが、オランダ人のフォス社長にとって、いずれの調香師へも英語でコンセプトを伝えるわけです。

(推し調香師愛しのリー様とフォス社長)

オランダの方は他国と比べ、特に若い方にはかなり英語が第二言語として浸透していますが、そうはいっても母国語ではないので、本当に繊細なニュアンスは伝えきれないものも当然出てくると思うんですが、そこを補完するため、プロのカメラマンでもある社長は、脳内に浮かぶイメージをできるだけ可視化して、調香師に伝えるようにしています。

その中でも色は重要なファクターで、実際、調香師が作成した香りを試して、社長が試作品にご自身の欲しい色味を感じられず一からやり直しになったり、

 
 
 
 
 
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ゴールドのように調香師の変更にまで至った作品もあります。

調香師ナタリー・フェストア氏との出会い

それでは、つぎに今作の調香師であるナタリー・フェストエア氏についてお伺いします。社長は類い稀な香りへの感覚をお持ちで、なおかつ香水の造詣がとても深いです。

 

そのイメージを具体化する作業は調香師にとっても非常に挑戦的な仕事になるため人選は限られると想像するのですが、No12があまりにもピュアディスタンスの哲学を体現する香水だったので、一体どのようにして社長のイメージを具体化する新たなる魔法使いを探し当てたのか興味津々です

ナタリー氏と接点を持った経緯、そして、No12ができるまでどの様な紆余曲折があったのか、教えて頂けますか?カタログは読んだのですが、当初ゴールド・タフタという名前だったそうですね。ナタリー氏がお持ちだったゴールドタフタをピュアディスタンスのシリーズにマッチするようにアレンジしたのでしょうか?

PDJ
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ピュアディスタンスは、日本を含め現在40か国に販売拠点がありますが、2018年6月、クロアチアのザグレブで30年以上高級化粧品店を経営しているラーナさんというご友人が、社長に、ナタリーさんがピュアディスタンスと何か作品を作りたいそうだから、話を聞いてもらえる?とメールをくれたそうなんですよ。

 

フォス社長は、もともと香粧品業界の出身者ではないので、ピュアディスタンスを創業した後に作品を依頼した調香師は、皆さん誰かの紹介でつながったはずですが、ナタリーさんともラーナさんから連絡をもらうまで、直接の面識はなかったみたいです。

 

それで、翌日ナタリーさんのラボに電話をしたら、結構フットワークが軽くて、その3日後にはオランダのピュアディスタンス本社に来てくれたそうです。

 

そこでナタリーさんが、既に処方が完成している11作品を提示した中のひとつが、

当時ゴールド・タフタという名前の香りで、11作のうち、最初に手に取ったそうですが、もう一発で気に入ってしまって、他の10作も勿論試したけれど、一番印象的だったのがゴールド・タフタでした。

採用決定後のアレンジは一切入っていません。ナタリーさんが提示した試作品の処方そのままで採用です。

 
 
 
 
 
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ピュアディスタンス作品の歴史で、調香師にコンセプトを伝えて処方を依頼したり、またはアントニアのように、社長の伝えたコンセプトでアニー・ブザンティアンさんに所蔵処方をご提供いただいたのではなく、

PDJ
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完成品としていきなり採用になった、調香師の「私家版」だった作品は、初出のピュアディスタンス1とこの№12だけです。

激動の時代、調香師と香料会社の関係性で香料調達は継続

 

◆No12でもふんだんに香料が使われています。ですが香料の調達など、このコロナ禍では大変だったのではないだろうかと思うのですが、資材調達の苦労などありましたでしょうか?

 

PDJ
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ピュアディスタンスは、2020年2月後半から本格的にヨーロッパも濁流に飲みこまれたコロナ禍の影響を受け、当初のスケジュールでは2020年春に前作ルビコナを、秋に№12を発売し、2020年中にTHE MAGNIFICENT XII COLLECTIONが完成する予定でしたが、まずルビコナが半年遅れ2020年10月発売になり、感染症拡大が終息しない状況で今春№12を出すのはリスクが大きいと判断し、結果として本年9月に発売となりました。

 

既に処方は完成しており、1年発売を延期したことにより、準備期間や資材調達の時間はきちんと取れたと思います。

 

また香水の原料は、通常処方を担当した調香師が所属する香料会社から調達し、処方と合わせて製造工場に委託して作るのですが、例えばジボダン所属の調香師なら主にジボダンの香料を使いますし、独立系の方なら、懇意にしている香料会社があります。

 

 

№12の香料もLAB SCENTというラボを主宰するナタリーさんが、

 
 
 
 
 
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LAB SCENTが提携する香料会社から調達するので、実際のご苦労は、これもナタリーさんに伺ってみないとわからないですね。でも本社からは香料調達の問題は聞いていません。

No12を使うシーン

月並みな質問ですが、No12をどのようなシーンで使うのがオススメでしょうか?

 

PDJ
PDJ

カジュアルなオフタイムの香りではないと思いますが、かといって難しい香りではないので、幅広い場面でお楽しみいただけると思います。

 

今このコロナ禍で、特に日本はヨーロッパと比べるとまだ精神的規制が続いていますし、今ドレスアップして出かけるシーンというのは思い描きにくいと思いますが、盛装を要求される場面においても、香りの後押しになる荘厳な表情も持っていますので、出番は多いのではないでしょうか。

全体的には女性らしい雰囲気の香りですが、立ち上がりのシトラスの爽やかさやサンダルウッド、ベチバー、パチュリといったしっかりしたウッディ要素がありますので、

男性でも気後れせずにお使いいただけると思います。

PD日本法人の夜明け前 正しさとは何か?社長の香水と日本のファンへの想い


では、2021年の事件と言えばピュアディスタンスの日本法人が設立された事。これで在庫を保持しながらの国内販売となりました。

昨年度より続く世情不安の中、海外へ法人を作ることは、企業としてとてもチャレンジングなアクションだったかと思います。まずはその経緯についてお伺いしたいです。

ファンとしてはこの上なくうれしい限りですが、困難な状況の中、香水砂漠とも揶揄される日本で事業展開を目指した経緯をお聞かせください。

PDJ
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ピュアディスタンスの認知度が国内で上がるにつれて、日本サイトの業態については色々な意見が出てきました。

 

それならばと、№12の国内発売に間に合うよう、日蘭一丸となって申請を進め、7月には東京都の許諾がおりました。

 

経費試算や収支予測など行う余裕もなく、いわばトップダウンで断行したので、在庫販売をスムーズに行う事が当座の目標です。ただ、既に国内での輸入販売許可が下りており、今後ポップアップストアや店頭販売は格段に行いやすくなりますので、可能性は大きく拡がりますね。

 

そういう意味では、誤解があったからこそ、フェーズが変わったともいえるので、今回の日本上陸を一言でいえば「災禍招福」ですね。

 

今回、業態についての指摘から、確固たるステージへ進めた事、一ファンとして嬉しいです。社長が日本のファンを大切に思ってくれていることは香水とPDJを通して確実に伝わるに違いありません。

ピュアディスタンスの香水は、すで日本香水コミュニティーの中では自然発生的な販売チャネルが確立されているようなものなので、顧客との関係性の濃さがそのまま継続した関係性となるはずです。

その点も他のブランドとは違った点ですね。ファンとの関係性を大切にし香りへの共感を育てていくブランドだと感じています。

価値がある。それをわかるからこそ、嫉妬や攻撃をしたくなる人がいるようですが、日本法人としてお墨付きの正当性を得た今、残念ながらそこで使われていた物差しではもはや敵わない。

情熱は、美しいもの、楽しいことに費やしたい。香水が好きならば、なおさら。

 

ネガティブな感情に振り回される人生よりも、価値のある毎日を確実に送れます。

今後のビジョン

 

今後のビジョンをお聞かせください。香水づくりはひと段落でしょうか?

 

PDJ
PDJ

THE MAGNIFICENT XII COLLECTION完成後は、新作の発売間隔は今までより多少長くなると思います。そして新作が出るごとにTHE MAGNIFICENT XII COLLECTIONから1作ずつ入替え、店頭では常に12作を陳列販売することになります。

入れ替えた作品は、既存のファンのために廃番にはせず、公式サイト・日本サイトで受注販売を行いますので、どうぞご安心ください。

あとはコロナがどのように落ち着き、制御可能になるかで、今後の人的イベントの再開時期が見えてくると思います。

カルトファンを作る理由はスモールイズビューティフル

日本のファンにメッセージをお願いいたします。

PDJ
PDJ

仰る通り、フォス社長は日本のお客様を「カルト・ファンクラブ」と称賛しています。私自身ピュアディスタンスの大ファンで、5年前オランダの本社まで足を運んだ事から現在に至りますし、

ピュアディスタンスの20年近い歴史でもピュアディスタンスジャパン設立と日本上陸は極めて稀なケースです。

それはひとえに、ピュアディスタンスの香りを愛してくださる日本の方が、点から線に、線から面へと拡がっていった結果、日本上陸が結実したともいえます。

PDJ
PDJ

ブランドのモットーである「スモール・イズ・ビューティフル」を根源に、対面販売ができなくても、心の通うオンライン販売を常に心がけてきましたが、これからも初心を忘れずに展開していきたいと思います。

今だからこそ、香りと共に生きる


今現在の世の中は、明日に世界が終わっても不思議ではないくらいの混乱ぶりです。このような時代に居合わせたことは、感情を揺さぶられますが、それこそが生きている事の証だと思います。

ピュアディスタンスの香水は、時代を越え、その人の奥にある感情を引き出します。

愛する時があれば、憎むときがある。戦う時があれば、平和のときがある。生まれた時があれば、死ぬ時がある。

この世の中のすべてのことに時があるように、すべての時に対して伴走できる存在がピュアディスタンスだと感じています。

最もふさわしい時間に、永遠の青、No12をこの世に送り出してくださり有難うございました!

おわりに・・調香師ナタリー・フェストエア氏の言葉

  「16歳の時オピウムを嗅いで、すべてが始まったの。
まさに天のお告げだったわ。私はグラースで、そしてニューヨークで調香を学んだのよ。
 
1990年代に成功を収める事ができて、良い時代を過ごさせてもらったわ。
 
今私は独立して、モンマルトルに小さなラボを構えているの。これまで以上に、香水とは私にとって、想いを伝える事だと強く思っているわ…」
 
ナタリー・フェストエア
No.12調香師
PDJ公式FBより引用
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